その166

ぐっすり眠る。明け方、まどろむ。目覚ましが鳴り、起きる。テントの中で栄養を食べる。のらさんが穴を掘って出し、その後わたしが出す。テントをたたむ。歩きはじめる頃、森が明るくなりはじめる。

登り、平坦な森、木の根、池。ぽつぽつと雨が降る。のらさんは傘をさす。わたしはそのまま。どこにでもテントを張れそうな広い森。

車道に出る。霧のなかヒッチハイク。ハイカーを送迎してきた車が乗せてくれる。わたしたちが泊まらない宿の前で降り(そこの宿のおばさんが乗せてくれたのだ)、そのとなりの食堂で朝食。わたしは目玉焼き、かりかりベーコン、とうもろこし粥、甘くないフレンチトースト、カフェイン抜きのコーヒー。のらさんは目玉焼き、ベーコン、煮豆、ぼろぼろくずれるパンケーキ、コーヒー。のらさんはなぜか途中でお腹いっぱいになる。食堂はこじんまりしとした、和菓子屋のような内装。

宿に着く。蜂の巣箱君、左利きさん、ダウンアンダーさん、バンダナ君たちと再会。皆さん2~3カ月ぶり。左利きさんがわたしに「お前一体どこに消えてたんだ」というのでダニの感染症で停滞したと説明する。彼は「ベトナムでひどいライム病になったことがある。白血球がすごい減って長い間ダメダメだった」と言う。

送っておいた食料供給箱の受取、洗濯。宿の従業員がようこそビールをくれたので飲む。部屋で休む。ベッドに腰かけると沈む。

左利きさんとダウンアンダーさんが出発するというので見送る。

のらさんはあまりお腹がすかない(どこか体調が変?)。わたしは腹ペコ。コンビニエンスストアでピザ、バーガー、マフィン、カフェイン抜きのコーヒー。のらさんは午後ひと眠りしたいと言う。店先で野獣さんがりんごを齧っている。

トレイルの案内所に行く。このトレイルの最終地点にある山に登るのには、ちゃんとした手続きをふまねばならない。そのやり方を案内所のおばちゃんが熱心に説明してくれるが、わたしはさっぱり理解できない。「わかるまで説明するから、何度でも質問して」というので繰り返し繰り返し聞いたあと、はっきりとは分からないがまあ何とかなりそうだという気持ちになる。のらさんの方が理解しているぽいので、わたしには甘える気持ちがある。案内所のおばちゃんは、さらに熱心に話してくれる。最終地点までの道のり、そこから還る道のりなど。お菓子とお茶を頂いてから宿に戻る。

のらさんは少し横になるが、あまり眠れていないよう。わたしはシャワーを浴び、宿のガレージでアルコールを買う。

バンダナ君と晩めし。スモークトラウト、バッファローのBBQソース、揚げモッツァレラ、ビール。トレイルのこと、これからのこと。バンダナ君は「トレイルのボランティアに参加して便所づくりをした」と言う。酔う。のらさんの体調がいまいちなのに付き合わせているに気づいて申し訳なくなる。

宿に戻る。腹がおかしい。しかし部屋と洗面所が離れているので我慢する。やっとのことで日記を書く。