その161

起きる。のらさんはすでに起きていて、コンビニエンスストアに行ってコーヒーとドーナツを楽しんだと言う。あまり眠れなかった、いびきと外灯と車の音のせいで、と言う。便所で出す。快便、大量。一緒にコンビニエンスストアに行き、外のテーブルでコーヒー(濃い味)、ハムとチーズと卵が挟まれたイングリッシュマフィンを食べ、チョコレートと落花生バターのかたまり(重い)を半分だけ食べる。べたべたに甘い。

宿に戻り、シーツをはがし、荷を外に出し、外のテーブルにひろげる。寝袋、テント、シート、ダウンジャケットを陽に当てる。のらさんはダウンジャケットのぬい目がさけた(胸のあたり)のをぬう。のらさんのザックは底から水がしみているように見える。底の生地が二重になっていて、その間に水が入ってしまっているようにも見える。

干している荷物の隣でブログを書く。急激にお腹がすいて、朝の残りのべたべたに甘いものを食べる。うさぎさんがゴムでできた恐竜をくれる。「朝、シャトルで旅立つハイカーたちが、スラックが出来ると聞いて皆即座にスラックに切りかえていた」とのらさん。スラックとは、荷物を宿において軽装で山を歩くこと。

向かいの商店で買い物、ランドリーで洗濯。揚げじゃがいもとコーヒー(甘い匂いのコーヒーとトロピカルなコーヒー)。ランドリーの向かいのコンビニエンスストアで買い物(栄養いっぱいのお菓子)。

ランドリーが終わってコンビニエンスストアに行き昼食。わたしはターキーとオリーブとピクルスとレタスと玉ねぎが挟まれたコールドサブ、のらさんはハムとチーズとベーコンのホットサブ。ピザと牛乳。そのあとマフィンを買って食べる。わたしは朝から何度もこのコンビニで金を支払っている。図書館でスマートフォンをいじる。

ヒッチハイクで一台目が止まる。トレイルの入口で降りる。ペットボトルの水をくれる。

歩く。陽の射しこむ、明るい森の歩き。昨日の夕方と正反対。しばらくしてからゆるやかな登り坂。徐々に勾配がきつくなる。岩場が増える。わたしはゲップとおならが大量に出る。わたしがゲップと屁が出たと言うと、そのたびにのらさんが「いいなあ」と言う。のらさんはゲップではなくて食い物がそのまま出そうになるので、そのたびに立ち止まっておさまるのを待っている。

急坂を下を向いてたんたんと登っていたら、道をまちがえて別のトレイルに入り、しばらくしてから気付く。顔を起して、なるべく正面を見ながら歩く。ここまで歩いても、まだ歩くのが下手である。

登り坂。トレイルの終わりがちかく、大きな山越えはこの先ほとんどない。じっくり味わいながら登ろうとするが、やがて物思いにふけりはじめ、ほとんど登っているのを忘れる。

景色がよく見える岩の上に立ち、明日登る山と、その手前の池を眺める。急に気温が下がったようで体が冷える。

テント場にテントを張る。水を汲む。水場は大きな岩陰の水たまり。水は冷たく、はじめはわたしが汲み、途中からのらさんが汲む。

テントに戻り、ダウンジャケットを着込む。夕めし。お腹はすいていない。じゃがいも(オリーブ油、ツナ、チーズのスナック菓子入り)。お湯が沸騰せずじゃがいもはぬるい。麦粥。こちらはあつあつ。行動食を食べる。今回の行動食は今までのもの(ナッツ、レーズン、乾燥バナナ、チョコレート)の他に、アーモンドスライスのグラノーラ、甘い味付きナッツ、塩味付ナッツ、干しキウイ、果物、くだいたプレッツェルにチーズ味をつけたもの。干しキウイは緑茶の味
気温がぐんと下がる。短パン半袖のモグラ君が五つ星さんとやってきて「寒すぎる寒すぎる」と言う。

テントに入る。テント内でも息が白い。わたしはキネシオテープでアキレス腱をサポートする貼り方をする(これは間違い。足首サポートの方が良かった)。日記を書く。のらさんはズボンの膝の位置にあるチャックのところが破れてしまったのでこれをぬう。わたしはお腹がごぼ、ごぼと音がして何かがでんぐり返しをする感じ。外に出て屁。月がそれ自体が発光しているとしか思えないほど明るい。もよおして便所まで歩くと、ほとんどが屁。ここのテント場は管理人がいて便所がとてもきれい。