その152

夜中、たびたび目覚める。お腹が痛い。何度か便所に行く。壊れてはいないがむしむしと痛い。気持ち悪く、吐き気がする。お腹は働いていて、ごろごろと鳴っている。イヤホンでラジオを聴く。
起きる。朝食はほとんどあきらめていたが、直前に便所で大量に出し(壊れている)、少し落ち着いたので、朝食の席に着く。朝食はラザニアのような形の、なかにパンや卵や豆が入っているもの。ふわふわとした食感でやさしい味。あとはハッシュドポテト、ソーセージ、マフィン。オレンジジュース。のらさんはコーヒー。  

アーカンソーさんはもうすでに出発してしまっている。部屋に戻り、のらさんは昨日洗ったカッパにアイロンをかける。わたしはベッドに入り、眠る。この眠りで頭がとてもすっきりとする。シャワーを浴びる。宿のティーシャツを買う。メールとブログ。たびたび便所で出す。

宿の車で町に下りる。図書館でスマートフォンをいじる。コンビニエンスストアで昼めしと、コーヒー(のらさんの)を買う。金物屋の前で卵とハムのベーグルを食べ、牛乳を飲む。迎えの車で宿に戻る。

昼めしは梅味のとうもろこし粥。宿の残り物のりんごパイを頂く。甘すぎず上品な味。モグラ君とキャプテンプラネット君が「トップガン」を観てラブシーンで盛り上がっている。若いふたり。その様子をのらさんが写真に写す。

また宿の車で町に下りる。ハイカーがたくさん泊まっている宿に顔を出す。へらじかさんと月炎さんがテーブルいっぱいに食料をひろげていて「ゴールまでの分、全部だ」と言う(一か月分くらい)。アバロンさんと再会。別のトレイルを歩いている日本人ハイカーのマサさんは泊まっていると聞いてきたのだが会えず。

コンビニエンスストアで買い物、クッキーアイスを食べる。公園の芝生に座る。風にあたって膝が痛くなる。宿の車に拾い上げてもらい、スーパーマーケットマートへ。昨日の買い物のつづき。今日は45分ある。食料、夕めしのおかず、キネシオテープ、歯みがき粉を買う。ハイカーのひとりが大量の揚げ鶏もも肉をかったので、車のなかは鶏肉臭でぷんぷん。

食料袋に食料を詰め、送る箱を完成させ、それから居間で夕めし。昨日の残りもの、葉っぱ、ゆで卵、丸いプラケースに入ったチーズ、ピクルス。薄平パンは2枚ずつ食べてあとは残す。食堂は人であふれわたしたちは撤退、ガレージでザックの整理、この先の町に送る食料箱と共に旅する箱をまとめ、宿の人に託す。ブルーベリーをつまみつつ作業。

のらさんはシャワー、わたしは日記。歯みがき粉をたっぷり使って歯をみがく。「歯が白くならない。以前使ったやつの研磨剤がすごすぎた」

のらさんがわたしの口ひげの唇にかかっているのを切ってくれる。足にラベンダーをぬってくれる。足の裏をもんでくれる。丸一日宿の服で過ごしてリラックスした気分。「昨日の朝ここに着いたというのがウソみたいだ。もっと長いことここでくつろいでいる気がする」とのらさん。ラジオをつけるがすぐに眠る。