その146

夜中、ちょくちょく目が覚めてまどろむ。志ん生をかけるがその度すぐ眠ってしまう。ぱらぱらと雨が降る音を聴く。眠れないのは体をあたたかくしすぎではないかと思って、ダウンパンツを脱ぐ。早く出発するつもりでセットした目覚ましが鳴るが、わたしがあま…

その145

夜、落語なし、ぐっすり眠る。目覚め、まだ眠りたいが起きる。バルー君はまだ寝ている。全員分の食料袋を木からおろす。のらさんはご飯を煮込み、わたしはテントをたたむ。チェダーブロッコリー味のご飯。「いつものお菓子とどちらが腹もちがよいのか?これ…

その144

一度眠ってからすぐに目覚めて眠れなくなる。志ん生を聴く。へっつい幽霊、富久、淀五郎、しじみ売り。雨が降ってくる。小屋の屋根に雨がばらばらと当たる音を聴く。すぐに止む。朝、薄暗いうちに目覚める。テントの後ろ、ポールを立てているところのペグが…

その143

夜中、たびたび目覚める。落語を流しては眠り、流しては眠りを繰り返すが、ついに志ん生を流しても眠れなくなる。三枚起請、二階ぞめき、搗屋幸兵衛を聴く。 夜が明けかかっている頃、まだ薄暗いうちに目覚め、起きる。結露なし。テントをたたむ。栄養いっぱ…

その142

朝、明るくなりはじめの頃に目覚める、起きる。目をつぶればすぐに眠ってしまいそうな感じ。夜中は一度も目覚めず、ぐっすりと眠る。 外は肌寒い。雲海が見える。テントをたたむ。栄養いっぱいのお菓子を食べる。森に入り、穴を掘って出す。歩く。昨日夕方苦…

その141

朝、まどろみ中に雨が降りはじめる。食料袋を取り込む(食料袋はもはや防水ではない)。中身は少ししっとりしている程度。雨がひどくならないうちにテントをたたむ。カッパを着る。栄養いっぱいのお菓子を食べる。空はいちめんどんよりとしたねずみ色。暗い森…

その140

目覚める。他の人たちも目覚めているようだが起きない。スマートフォンをいじっている。便所に行き、着替える。荷物をまとめる。おばちゃんが固くてかみごたえのあるパンにジャムをぬったものを出してくれる。2枚ずつ頂くが食べ切れないうちに出発の時間。…

その139

夜中、暑い。靴下を脱ぐ。目覚める。太陽は山の裏側、空は曇っているように見える。テントをたたみ、食料袋のところまで移動。栄養いっぱいのお菓子を食べる。穴を掘って出す。歩く。昨日の疲れが残っていてさくさくとは歩けない。登りと下り、森と草原。草…

その138

夜、すぐに寝つく。夜中、一度便所に立つ。朝までぐっすりと眠る。明るくなった頃に目覚める。朝までダウン上下を着ていて丁度良いくらいの気温。テントをたたむ。栄養いっぱいのお菓子を食べる。体操をしている頃に小屋で寝ていた人たちが起き出す。わたし…

その137

眠れず。電灯が明るい。タオル(雑巾)を顔にかける。臭う。志ん生のあくび指南、うなぎの幇間を聴く。これからの工程をどう歩こうか考えているうちに眠る。 目覚める。外は明るくなりかけている。誰かのアラームが繰り返し鳴る。イヤホンで音楽を聴く。マー…

その136

朝、目覚ましで起きる。薄暗い。2人ともあまり眠れていない。テントをたたむ。栄養いっぱいのお菓子を食べる。 ちょっときつめの登り。標高が上がり、ちょっと冷たい風が吹く。白い霧で包まれる。岩と根っこの、歩きにくい道。ほとんど登りきったところで座…

その135

夜中、一度目覚めるもすぐに眠る。枕なしで寝てみたが特に問題なし。 目覚める。薄暗い(山の反対側から日が昇るので)。涼しいから蚊はいない。テントをたたみ、荷物をまとめてトレイルの脇に座って食事。栄養いっぱいのお菓子を食べる。穴を掘って出す。と…

その134

夜、眠れず。しばらくじっとしている。ラジオを聴く(バラカンさん、みうらさん)。たまに車の人が音を立てる。クラクションを鳴らす。そのたびにラジオを止めて耳をすます。暑くなり、靴下をぬぎ、寝袋から出る。しばらくしてから靴下をはき、寝袋に入る。 …

その133

夜中、目覚める。志ん生の寝床、中村仲蔵。小便に立つ。月の光が強い。 起きる。麦粥を食べる。少ししか煮込まず、いつもよりかたい。そのぶんよく噛むから、食べている気分が増す。 のらさんが食料袋に大きな穴が開いているのを見つける。中に入っている行…

その132

少しだけ眠り、すぐ目が覚める。のらさんも目が覚める。ラジオを聴く。志ん生を聴く、つるつる、庚申待。遠くから風が近づく音がきこえ、轟音を立てて去っていく。木がざわざわと音をたてるが、テントには風がほとんどあたらない。風の音でラジオが聴こえな…

その131

夜中、目覚めて便所に行きたいが我慢する。マットから何度もずり落ちる。志ん生、抜け雀。 朝目覚め、ぐずぐずする。起きる。腰が痛い。これは長い間寝ていたせい。充分な睡眠。テントのメッシュ部分から、外が赤くなっているのが見える。と思ったらぱらぱら…

その130

夜中、目覚める。暑い。寝袋から出る。入る。明け方は涼しい。新しいマットは地面からの冷気を通さないどころか、それ自体が熱を発しているようにあたたかく、ぽかぽかする。朝、腰が痛いがよく眠ったと感じる。のらさんは「寒かった」と言う。寝袋から出て…

その129

起きる。頭痛はなし。フロントのとなりにある食堂。ワッフル、マフィン、食パン、バナナ、ヨーグルト、牛乳。のらさんはコーヒー、わたしはディカフェ。インドのテレビ番組が流れている。家族連れが多い。皆こざっぱりとした格好。ハイカーはわたしたちだけ…

その128

日が変わるまでよく眠る。目覚めて志ん生を聴く。厩火事、おばけ長屋、替り目。小便をする。明け方また目覚め、そのまま起きる。夜中は1度しか便所に立たず、汗はまったくかかなかった。朝、軽い頭痛。たいしたことはない。体が薬に打ち勝つようになったの…

その127

夜、いとうせいこうとみうらじゅんがただ喋っているというラジオ番組で眠りかかるが、また目覚め、眠れなくなる。志ん生の火炎太鼓、妾馬、岸柳島、うなぎの幇間、安兵衛狐、千早振る。途中で寝てしまうことが多いから、久しぶりにサゲまで聴く演目が多い。…

その126

夜中、1時間おきに小便。汗はかかない。頭も痛くならない。起きる。眠気が取れず、頭痛がないからもっと寝ていたい気分。便所で出す、快便。ベーグル、チーズ、マフィン、パイナップル、りんご、牛乳。抗生剤。穴の開いたゴミ袋をかぶってポンチョ姿になり、…

その125

夜中、一時間おきに目覚める。はじめ、頭痛なし、汗もかかず。尿を出す。水を飲む。次、軽い頭痛。その次、けっこうな頭痛。そのまま起きる。 ベーグルとチーズを食べる。抗生剤を飲む。便所で出す。下痢ではない。お世話になった宿のおばさんとトムさんに感…

その124

夜中、目覚める。溜まりきっている尿をだす。のらさんのティーシャツに着替える。明け方、目覚める。頭痛。そのまま起きていることにしてソファに座り、眠る。 目覚める。ひどい頭痛。とうもろこし粥と木綿豆腐を食べる。豆腐には水分がなく、もち米がもちに…

その123

夜中、目覚める。頭が猛烈に痛い。汗びっしょりに感じるが思ったほどかいていない。しかし寒い。のらさんのティーシャツに着がえる。小便が溜まっているので出す。水を飲む。ここにきて頭痛、汗、悪寒が抗生剤の副作用であることに気がつく。志ん生を聴く。…

その122

夜中、一時間おきに起きる。どっさり汗。猛烈な尿意。尿の色は、これまでのどろどろしたオレンジ色に変わり、透き通っている。小便に行くたびに水をたっぷりと飲む。のらさんのティーシャーツに着がえる。志ん生の、らくだ、強情灸、親子酒。起きる。のらさ…

その121

夜中たびたび目覚めるものの、よく眠る。寒気と高熱はやって来ず。目覚めるたびに水をたっぷり飲む。 ベッドはひとつ、のらさんの方を向くとわたしの息が届くようで申し訳ないから反対側を向いて眠る。頭の左側、歯の左側、体の左側が痛い。起きる。体温は39…

その120

夜中、寒気からあつあつ。絶え絶え。ヨーグルトと解熱剤。 のらさんからの送風。明け方までよく眠る。明け方、寒気。あつくなりはじめるがかんかんまで至らない。これは良い兆候。薬を飲む。 宿のおばさんとのらさんが話す。「この部屋は予約が入ってるから…

その119

夜中、目覚める。寒気がとまらなくなり、体を丸くしてがたがたと震える。やがて徐々に体温が上がり始めてやがて体がかんかんになり、顔が熱くてぶんぶんにふくれたようになる。薬を飲むまえになにか腹に入れておこうとバナナを半分食べる。吐きそうになり便…

その118

夜中、目覚める。体じゅうがあつい。「はあはあ」と言葉に出しながら息をする。熱を計ると40度を超えている。のらさんがベットの横にずっと座っている。 朝。のらさんがモーテルのおばちゃんに「病院に行きたい」と言いにいく。おばちゃんは病院まで送迎して…

その117

夜中、眠れない。志ん生。庚申待。淀五郎。富久。替り目。雨が本降りになってテントを強く打ち、志ん生の声が聴こえなくなる。気温が下がり、地面からの冷気がしんしんと伝わる。のらさんもあせもをぼりぼり掻いているうちに目覚め、寒いと言う。体をスプー…